04年6月27日、神戸ウィングスタジアムで『フットボール・コーチングセミナー』が開催された。サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールーの3つのフットボール共通のテーマを取り上げ、そのポイントを現場のコーチが小学生向けに指導する「フットボール3種クリニック」と、それぞれの競技で実績を持つトップコーチが一堂に会して行う「パネルディスカッション」はすでにお馴染みだが、昨年6月のイベントでは、サッカーからは元ヴィッセル神戸ユース監督で、99年Jユースカップで優勝、現在は姫路獨協大学サッカー部監督の昌子力氏。ラグビーからは神戸製鋼ラグビー部を7連覇に導いた同ラグビー部GMの平尾誠二SCIX理事長。アメリカンフットボールからは02年にチーム初のライスボール日本選手権優勝を果たした関西学院大学アメリカンフットボール部監督の鳥内秀晃氏が出席。『コーチング』をテーマに語り合ったこともあり、その後も当日の内容掲載を希望する声が多数届いている。そこで今回は『トップコーチの考え方』と題し、計6回に渡ってそのときの模様をご紹介する。
   
(05.03.21)
(05.03.28)
 
最近ではビジネスの世界でも、人材育成プログラムのスキルとして注目を集めている「コーチング」。本来は競技スポーツの世界で、選手育成の手段として語られてきた概念だが、競技スポーツの世界では個々の競技に携わる指導者が、自らの体験に基づいてまとめたコーチング論は多数見受けられても、競技種目を超えた人材育成のスキルとして体系的にまとめられたものが少ないのが現状だ。そこでSCIXでは、スポーツは「人々の生活や地域社会を豊かにする重要な文化」という発足以来の理念から、「コーチング」を人を導き、人を育てる社会的な営みと位置付け、スポーツの現場に携わる方々はもちろんのこと、教育、ビジネスなど幅広く人事育成の現場に携わる方々と「コーチングとは何か」を論じ合って行けたらと考えています。その題材として今回は、仙台大助教授でコーチング学やスポーツ情報戦略などを専門に取り組まれている勝田隆氏の『知的コーチングのすすめ〜頂点を目指す競技者育成の鍵』を取り上げ、同氏の考える「コーチング論」を伺いながら、その本質に迫ってみたいと思います。
   
(03.12.16)
(04.01.08)
(04.03.17)
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(04.03.22)
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『知的コーチングのすすめ
 〜 頂点を目指す競技者育成の鍵』
 監修者:河野一郎 
 発行所:大修館書籍
 定 価:本体1800円+税

■プロフィール
勝田隆(かつた・たかし)
1957年、埼玉県生まれ。'76年埼玉県立熊谷工業高校卒業、'81年筑波大学体育専門学群卒業。現在、仙台大学助教授、コーチング学やスポーツ情報戦略を専門とする。ラグビー高校日本代表監督や19歳以下日本代表および23歳以下日本代表のコーチを経て、'97年〜2000年まで日本ラグビー協会強化推進本部テクニカル・ディレクターとして、ラグビーワールドカップ('99年)やアジア競技大会('98年)に参加。日本オリンピック委員会では、釜山アジア競技大会日本選手団本部員('02年)アテネ五輪対策特別委員会委員('02年〜)、情報・戦略プロジェクトサブリーダーなどの任にあたる。また、日本ラグビーフットボール協会で、現在、コーチング委員会委員、医・科学委員会副委員長、レフリー委員会委員を務める。主な著書に『楕円進化論』(ベースボール・マガジン社)などがある。

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