吉 原おっしゃるように、日本はしっかりレシーブをして、攻撃につなげて点を取るというのが得意でした。でも、今は本当に一発勝負。緩いサーブでチャンスボールになってしまえば、それで1点取られてしまいます。

平 尾今は女性でも、すごいサーブを打ちますよね。

吉 原サーブはもちろんですが、全体的に女子バレーは、男性的なバレーに変わってきていますね。
 ただ、バレーボールはネットを挟んで行う競技ですが、ラグビーやバスケット、あるいは柔道などのように、体と体がぶつかり合うスポーツは、日本人はさらに不利だなって思います。ラグビーは、フォワードが弱いと苦しい戦いになりますよね。

平 尾そうですね。ボールが取れない。

吉 原ニュージーランド代表のオールブラックスなど、強豪国の試合をテレビで見ると、体格のいい選手が速いスピードで動いている。そうなると、日本はどうしたらいいんだろうって、考えてしまいます。

平 尾
選手はみんな一生懸命やっていて、技術や体力などは持っている力をかなり発揮していると思います。そうなると、あとはルールなんです。つまり、あまり体の大きくないチームに有利なルール、もしくは日本人の特性が活かせるようなルールをうまく織り込んでいくことができるかどうかということになりますね。

吉 原なるほど。ラグビーの場合、どういったルールが日本人にとって不利になっているんですか。

平 尾いろいろありますが、たとえばラインアウト。ボールが外に出たときに、出されたチームがボールを投げ入れるけれど、サッカーのように身方をめがけてボールを放るのではなく、双方のチームが列をつくって並び、その列の真ん中に投げ入れなければならない。あれって、不利ですよね。背が低いほうが、取りにくい。

吉 原確かに、不利ですね。でも、今は投げ入れたときに、サインなどでキャッチする選手をヒュッと持ち上げたりしてますよね。

平 尾あのルールができたときに、背の高さがカバーできて日本が有利になると思われた。ところが、背の高さに5センチの差があるとすると、腕の長さはもっと違うんです。しかも、体格のいい外国勢は腕の力もある。試合で残り10分ぐらいになると、どちらも疲れてくる。ボールをキャッチする選手の飛び上がる力はどちらも衰えるんだけど、彼らは腕の力が強いので、最後まで高く持ち上げることができるんですよ。そういう意味でも、日本にとっては不利なルールなんです。

 

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