吉 原そうすると、やっぱりルールーを変えないと、ということになりますね。
平 尾ボールが出たときは、ラインアウトかスクラムか選択できるとかね。それと、コンタクトスポーツは基本的にウエイト別になっているでしょう。格闘技系は、ヘビー級、ライト級というように階級がある。柔道も体重別です。ラグビーは球技という団体スポーツではあるけれど、たとえば15人の体重の総和を規制するとか。つまり、何キロまでにしなければならないというような…。そういう方法もあるなと、個人的には思っています。
吉 原最近は日本人の体格もよくなったといわれますよね。バレーボールでも、昔に比べたら、大きな選手がたくさん出てきています。ラグビーではどうなんですか。
平 尾ここ何年かで、急激に大きくなってきたという感じがしますね。さほど見劣りがしなくなってきた。ところが、中身が違うんですよ。同じ2メートル・100キロの選手でも、強豪国の選手と日本の選手とでは運動能力の差がものすごくある。そういうところを補っていくためにも、ルールを考えていかなければいけないと思いますね。
とくにスポーツについては、世界中の人たちができるように、あるいは男女問わずできるようにという考え方があります。そういうことからも、体格など、どうにもできないところで大きな差が出ないように、ルールで調整していく必要はあるんでしょうね。ラグビーはイギリスで誕生したスポーツですが、イギリス人が最初にラグビーのルールをつくったときには、こんなアジアの小さな人たちがプレーするなんてことは夢にも思っていなかったのではないかな(笑)。 吉 原そうでしょうね(笑)。同じイギリス人が戦うということが大前提にあって、つくられたルールなんでしょうね。
平 尾だから、変更の余地があると思うんです。今は、韓国もやっているし、台北、香港、それから中国もやり始めました。まぁ、中国は大きな選手がそろっているので当てはまらないだろうけれど、どんな国の人たちでも体格が大きなハンディにならずにゲームができるようにする。そういう意味で、「ルールで平等にする」という観点をもって、ルールをつくっていく必要があんじゃないでしょうか。
吉 原おっしゃるとおりだと思います。
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