S C I X先ほど土田さんから「自分の人生の中で一番のプライオリティーとして、ラグビーが好きでやっている。でも、仕事としてはプロではなく、他に仕事を持っている」という話がありました。また、土田さんは本の中でも「サントリーにとってラグビー部、ラグビー選手というのは一種の広告媒体ではあるけれども、真の目的はいいビジネスマンを育てるための組織である」と書いていらっしゃいますが、その位置付けというのは今後も堅持されていくおつもりですか?

土 田で、ありたいなと思っています、トップリーグ(※)が始まっても。もちろんラグビー部が全員プロになってプレー出来れば、これは一番ベストだとは思うんです、日本が世界と戦うためにもね。でも、まだまだ難しいというなら、プロの日本人選手も取っていきながら、3分の2以上は仕事をしながらでもいいのではないか、と。仕事をしながらであるならば、ラグビーもしっかりやり、仕事もきちんとするべきだなと思って、そのポリシーは堅持していこうとは思っています。ただ、Jリーグの立ち上がりもそうでしたが、選手全員がプロだという形になった時には、「仕事しながら」だとか「広告ではないんだ」と言っていても、それでは勝てなくなるでしょうね、こういうチームは。やはり1日2回の練習を、毎日やっているチームの方が強いですからね、最終的には。

S C I Xトップリーグというのは、そのための一つの転機になるのではないでしょうか?

土 田どうでしょうか、平尾さん?

平 尾おれの方が知りたいわ?

全 員ハハハハ。

平 尾でも、どうなんですかね、これはやってみないと分らないし……。ただ日本の場合、今までは社会人リーグと言っても東日本と西日本に分かれていたわけですから、それが統合されて非常にレベルの高いゲームが増えてくるということでは、Jリーグとまでは行かなくても、Jリーグの前身であるサッカーの日本リーグ並みの強化にはなるのかなという気はしています。ただ、今回は協会もJリーグや南半球のスーパー12などを参考にしながらやっているはずですから、そのいい部分は取り入れながらやっていくことになると思いますから、競争力は間違いなく上がると思います。日本代表チームの強化ということに主眼に置いて見るならば、非常に好ましいやり方ではないかと思いますね。しかも、高レベルの試合が一気に観られるわけですから、そういう意味でもいいしね。ミスマッチも減るでしょうから、企画としてはいいと思いますよ。

 

 
 
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