S C I X企業スポーツというと、サントリーの場合はラグビーのほかにバレーボールなどもありますね。あれは、実業団としてはほとんどプロに近いものですか。
土 田中途半端ですね、午前中だけ会社に行くとか。それだったら、本当にプロにした方がいいなと、僕は思いますね。ラグビーでもすでに日本人のプロ契約選手が20人ぐらいいるチームもあるんですよ。こういうチームが、午前中はきちんとウエイトトレーニングして、午後からみんなと一緒に練習してというようなプロ生活を送って欲しいと思っているんですが、聞くところによると午前中は練習もしないでパチンコに行っているとか……、これじゃあね(苦笑)。うちのチームは、そんなふうになりたくないんですよ。そのためにはコーチも何人かプロになって、午前中はきちんとウエイトレーニンやスピードトレーニングをやって、午後からはチームトレーニングしないと、中途半端になるかなと思っています。
平 尾これは僕の個人的な意見ですが……。そういうシステムになったときに、企業としては選手の雇用の仕方が非常に多様化してくると思うんですよ。ひとつは今までのように、終身雇用的に正社員として採用して、通常の一般社員と同じようにとりあえず最後まで行くと。それとは別に、一部プロの選手も出てくるということもありますね。ただし、この場合は期限付きのプロフェッショナルになると思います。また、そうではなくて、「自分は将来的にこの会社できちんと働きたいんだ」という人間は、そういうルートでの採用も出てくると思います。また、「この3年間はプロとしてめちゃくちゃやりたい。選手生活が終ってからは、自分の力でいいから、ちゃんとしたキャリアを積んで仕事をしたい」というような一定期間プロになる人間も出てくる。だから、いろいろなパターンが出てきて、それをチームや企業が、どう受け入れられるかが問われるようになる。つまり、個人の希望にある程度応じた、もしくは個人の資質に応じた雇用形態がとれるかどうかが、受け入れ側の問題として出てくると思います。
土 田僕らもそういう話は会社側とよくするんです。会社が一番心配しているのは、チームのメンバーやスタッフが、プロやそのほかの雇用形態を理解してくれるかどうかなんです。それが受け入れられないチームだったら、導入を止める方がいい。そこを会社は一番心配しているところなんです。
平 尾だから、土田の言ったように、朝からパチンコをしているようでは、プロとして意味がないということだね。
土 田そうなんだよ。
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