佐 野また少し話が飛びますが、日本の新幹線は線路がすごく曲がりくねっていますね。昔の東海道線を使っている関係もあるのですが、基本的には街があるから(ぶつからないように)そう作ったんですね。東京から大阪まで500km以上あります。ところが、東京から甲府を通して木曽の山を抜いて名古屋を抜けて、さらに関西の山を抜けて真っ直ぐ大阪まで行けば400kmで済んでしまいます。
平 尾新幹線ができたのは東京オリンピックの年でしたね。
佐 野そう。この話は今のオリンピックの話で思い出したんです。もう40年も経っていますから、新幹線ではなく旧幹線なのですが(笑)。
平 尾アハハハッ。
佐 野で、山を抜いて真っ直ぐ行けば距離が短くなるのが一つと、40年で進歩したのは車両が一番進歩したそうです。当時は、鉄道の上を走る車両としては200km強しか出ないと思われていた。ところが今はリニアではなく、電気の車両でも300kmを軽く超えられる。そうすると、線路が曲がっていては困るわけです。真っ直ぐの線路だとその性能がそのまま出せるけれども、曲がっているというそういうわけにはいかない。で、今は「のぞみ」が曲がりながらも東京、大阪間を2時間数10分で走っていますが、400kmを真っ直ぐに行けると考えると、最低1時間半で行けてしまう。
平 尾それはすごいですね。
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