大畑クラブライフということで言えば、こっちに来てもう一つ驚いのは、1stから5thまで全てのグレードで同じように試合をしてるということでした。
平尾要するに「補欠」がないということだろ。選手として参加している人間は、1stから5thぐらいまであるグレードのどこかのチームに所属して試合に出られるということ。それがヨーロッパ型クラブの一つのスタイルになっている。
大畑その中でまた自分たちのチームという意識も強いんですよ。
平尾それが4本目であっても、5本目であっても、チームに対するロイヤリティは1本目と同じように高いということだよな。
大畑そうなんです。
平尾だから4本目だから恥ずかしいとか、5本目だからどうだということが一切ない。
大畑ないですね。
平尾これはすごいことだよ。
大畑今、ノースでキャプテンを務めている選手は4本目のNO8なんです。試合が終わったあとのスピーチも、1本目の選手じゃなくて彼がやるんです。
平尾たまたまケガでもして4本目にいるということじゃなくて?
大畑もともとそれぐらいのレベルのプレイヤーなんです。でも、彼は本当にこのクラブを愛していてチームの事情もすべて知っている。選手の中にはよくクラブを移る選手も多いんですが、彼の場合はそんなこともなくて、ずっとここでプレーしている。もちろん、人間的にも素晴らしいということで。
平尾クラブを移るということで言えば、逆に1本目の選手の方が動くケースは多いんだろうな、引き抜きとかもあったりして。そういう意味で4本目の選手がキャプテンを務めるというのも分かる気がするよな。
大畑そうですね。今、ノースのクラブには6000人ぐらいのメンバー(クラブ会員)がいて、そのうちプレーヤーは300人ぐらいなんですけど、全員が僕らのようにトップのグレードを目指しているわけじゃなくて、ほとんどの選手は自分のレベルに合ったグレードでラグビーを楽しんでいる人たちですから。
平尾だから、チームのキャプテンであると同時に、そうした選手の代表でもあるということ。自分は何があってもここを動かない、このチームを愛しているんだということを、皆も認めてそのことを大事にしてるということだと思う。
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