中垣内われわれも理想はあくまでも文部科学省が推進する地域密着型総合スポーツクラブなんですが、少なくとも現状はバレーボールのみですね。現在は、ブレイザーズジュニアという中学生を対象にしたジュニアチームをつくっています。なぜ、ジュニアチームかというと、堺市には中学校が40校ほどありますが、そのなかで男子バレーボール部があるのはたった6、7校なんです。

平 尾それは、以前に比べて激減しているんですか?

中垣内激減ですね。堺市に限ったことではなく、隣の岸和田市では11〜12校中、バレー部は0なんです。

平 尾1校もないんですか?

中垣内ええ、男子バレー部は1校もありません。そういう状況なんです。だから小学校のときにバレーボールをやっていても、中学生になるとプレーできる場がなくなってしまう。そういう子どもたちの受け皿を作らなければ、ますます衰退するという危機感があり、ジュニアチームをつくったんです。週2、3回の練習をしていますが、われわれも手の空いているときには指導に行くこともあります。それが、現在ブレイザーズができる地域密着型スポーツクラブとしての、地域への貢献なんです。同時に、行政、つまり堺市に対しての何らかのアピールにもなるわけです。われわれは、補助金など行政のサポートが必要不可欠ですから、そういうアピールをしていくことも大切なんです。

平 尾なるほど。地域への貢献をしながら、同時に行政にもアピールしていく。

中垣内はい。ほかにも、バレー部のある堺市内の中学校に、選手が出向いて指導したりもしています。それから、地域交流ということでは、新日鉄時代から行ってきたスポーツ大会を今年から「ブレイザーズカップ」と改めて、毎年行うことにしています。種目は、バレーボールを始め野球、サッカー、剣道、空手、テニスなどで、バレーならば、ママさんの部とか、小学生の部、中学生の部、高校生の部などがあって、かなり大きなイベントになっているんです。

平 尾堺市を離れた地域での活動はどうですか。たとえば、神戸の小学校や中学校から「バレー教室」をお願いしたいという要望があったときに、それにも応じることもできるんですか?

中垣内はい、可能です。これまでも、やってきました。たとえば、合宿に行った先で、地元の人たちを対象にしたバレーボール教室などを、イベント的に行ってきましたので。

平 尾あまり活動の範囲を広げすぎてしまうと時間もコストもかかって大変でしょうが、堺市を拠点にして近隣地域の要望に応えていくことはとても大切なことだと思いますね。

<<つづく>>

 
 
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