平 尾トップリーグもいよいよ後半戦に入ったけど、今季のスティーラーズ、あるいは元木由紀雄選手というプレーヤーのここに注目してみて欲しいというものはある?
元 木そうですね。やっぱりスティーラーズとしては、平尾さんの時代から伝統として受け継いできた“状況判断”ですね。そういうところをしっかりして、まずは、ミスの少ないゲームを心がけたいことと、その一方では昔のプレーにあまり固執するのではなく、臨機応変に変えるところは変えながら戦っていきたいと思います。メンバー的にも大分駒が揃いましたので、今年は本当にいいラグビーができると思います。僕自身はやっぱり基本は“強さ”なので、それがなくなるともう僕ではないと思っているので、やはり(自分の強さを出して)前へ行きたいなと思っています。チームが勢い付くようなプレーを、ディフェンスでもアタックでもしたいと思いますね。
平 尾トップリーグの場合、下位になると9位、10位は下位リーグとの入れ替え戦に回り、11位、12位は自動的に降格する非常に厳しい制度になっている。そうなると、勝ちにこだわるということで、高校野球で言えば1点を取るために、バント戦法に頼るような、そんな縮こまったプレーになってしまうという恐れもある。そうではなくて全12チームがそれぞれの特色を出した戦い方……、神戸で言えば“神戸マイスター”と言われるようなオープン攻撃というものがあるわけだから、それぞれが自分達の特色を出し合ってぶかり合ったら、非常に魅力あるリーグとなると思うね。
元 木今、言われたところは、僕らも非常に危惧しているところで、日本人気質というか、そういう面でバント戦法に終始するようだとプレーも小さくなって、見ている人にもつまらないゲームになってしまうと思います。
平 尾これは僕の個人的意見だけど、もし、そういう傾向が出てくるようなら、日本協会はすぐに手を打って、ローカルルールを作るとか、改正するとかして、トップリーグでしか通用しないルールを作りながら、そうならないような手当てをしていかなければいけないと思うね。
元 木そうですね。
平 尾そうしないと、ようやく走り始めたらトップリーグの意味がない。
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