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               S C I X その一方で選手では、サントリーの斉藤選手(祐也=コロミエ)、神戸製鋼の大畑選手(大介=モンフェラン)が、「自らを高めたい」と海外のプロリーグに身を投じています。日本のトップリーグで選手の強化が進み、ワールドカップでも結果が残せるようになれば、そうした選手もどんどん出てくるのではないでしょうか。 
               土 田 いや、これは素晴らしいことだと思います。斉藤とも、(2001年度の)優勝以来ずっと話してきたんですが、やっぱり「海外行ってプレーして、自分の実力を見てみたい」と言ってました。僕なんかは、「テスト入団ではなく、きちんと契約出来るようになってから行ったらどうだ?」と言ってたんですが、本人としては「どうしても、今度のワールドカップで勝負したいんだ」と。要は、お金ではないということです。「一試合出場して、幾らもらえるかはどうでもいい。海外できついゲームを経験して、自分を伸ばしたい」ということですね。大畑君の気持ちも同じだと思いますよ。 
              S C I X なるほど。 
              平 尾 これからは、そういうケースが増えてくると思いますよ。トップリーグが契機となって、自分も海外でプレーしたいという選手がね。でも、そういう選手がもっと増えてこないと、結局はラグビーも国際的なレベルは上がらないんですよ。 
              土 田 サッカーなんか、22〜23歳でみんな行ってますからね。 
              S C I X そうなった時、心配なのが国内リーグの空洞化なのですが……? 
              平 尾 確かに、それを心配する声はありますが、それは意外に心配しすぎの感もあってね……(笑)。僕自身はそういうものはごく自然に淘汰されていくんじゃないかと思っています。空洞化というのは、ある組織の一部がボコッと空くということだと思いますが、それは決して埋められないことではないと思います。例えば、大畑、斉藤というスター選手が海外に出たことで、スター選手不在のようなことが言われていますが、その代わりを埋める選手は必ず出てきますよ。逆に、そういう選手を押し出してやるような状況にならないと、国際的なレベルなんか全然上がらないということもありますからね。 
              S C I X 彼らに代わる選手が、逆に引っ張って行くようになる、と・・・。 
              平 尾 ということになっていくでしょうね。 
              S C I X それを聞いて安心しました(笑)。本日は長時間に渡ってお話いただき、ありがとうございました。 
                
              
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