平 尾たとえば堺にある中学校でバレーボールをしたい子がいた、と。本人はいつか日本代表になりたいとか、海外に出てプロになって、世界の舞台で勝負してみたいと思っている。そんな子がいた場合、ただ部活というだけでバレーボールのことをよく知らないような顧問のもとでやったとしても、本人が望むような方向で上手くなれるかどうかは難しい。それなら、こういう子たちが、たとえばブレーザーズに入って指導を受けるだとか、その気になればできるような環境をコミュニティが提供してやる。このとき、大事なのはただバレーボールを教えるだけではなくて、何かその子の人格形成につながるようなものをプログラムとして組み込む。そうすると、親も喜ぶだろうし、学校も喜ぶだろうしということで、そうした環境整備というのがこれからの地域密着型クラブには求められると思うんです。
中垣内おっしゃるとおりだと思います。ブレーザーズでも現在、ジュニアチームを作ってトップチームの選手だったスタッフが指導に当たっていますが、今、平尾さんがおっしゃったような子供の人格形成につながるようなプログラムとなると、まだまだこれからでしょうね。
平 尾問題はそこなんですよ。ブレイザーズであればバレーボールは教えられる。神戸であればラグビーは教えられる。でも、それだけでは部活の延長にしかすぎない。そこにプラス何か人格形成につながるようなものがないと。ただ、これは非常に難しい問題で……人材、システム、周りの環境なども重要でしょうし。でも、そのプログラムの構築に向かって取り組んでいかないと、これからの地域密着型クラブの存在意義は高まっていかないような気がしますね。
中垣内おっしゃるとおりですね。僕らもそれに向かって取り組んでいけるようにしたいと思います。
平 尾ぜひ頑張ってください。僕らも地域密着型クラブの先駆者としてブレイザーズの活動は注目もし、また応援もさせてもらいますので。
中垣内そうですね。ぜひ今度、機会があればラグビーも教えてに来てください。
平 尾それ、いいアイデアやね(笑)。で、ブレイザーズからはバレーボールを教えに来てもらうと。
中垣内はい、ぜひ(笑)。
平 尾これは冗談じゃなくてぜひ実現しましょう。クラブ間に人的交流が生まれることで、コーチングのノウハウという面でもものすごくいい刺激、財産になりますからね。その件だけでも今日はお会いできてとても良かったです。ありがとうございました。
中垣内私のほうこそ、どうもありがとうございました。
≪終わり≫
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