平 尾選手がプロ契約をしたり、あるいはJリーグのようにプロ化を行ったりすることは競技の繁栄にも大きく影響してくるので、今後も大いに検討していくべきだと思います。ただ、ひとつ気になるのは、選手生命が終わった後のことです。スポーツ選手なら、多かれ少なかれケガをして突然選手生命が絶たれるという可能性がある。そうなった場合、年俸が1億円、2億円もらえていたというのであれば、しばらくはそのお金で生活しながら新たな道を探すということもできますが、実際には会社の給料とそれほど変わらないというのが現実です。
中垣内そうですね。ブレイザーズの場合も、契約社員という形で実質的なプロ選手はいますが、社員選手と比べて飛躍的に年俸が高くなるわけではありません。
平 尾とはいえ、いったんプロになった選手が現役を終えたからといって、もう一度会社が受け入れてくれるのかどうか…。
中垣内そうですね。選手の引退後の生活を考えていくということは、われわれブレイザーズにとっても重要な問題です。ブレイザーズの契約社員の選手生命が終わったときに、「あなたたち、もういらない」ではなくて、新たな道を考えて提示してやる必要がある。チーム側としては提示することまでしかできないかもしれませんが、それはチームとしてやっていかなければいけないことだと思います。
平 尾一人や二人ならばコーチという道があるけれど、今後多くの選手がプロ契約をした場合、引退後の受け入れ先もそれだけたくさん必要になってくる。
中垣内全員が指導者になれるわけではないですからね。
平 尾もちろん、選手として築き上げてきた経験を生かせる場をもっと増やしていくことも必要だと思います。でも、それだけではなく、引退後に別の仕事に就くことが出来るようにキャリアを積んでいく方法も考えないといけないですね。
中垣内私もそう思います。ブレイザーズの場合、実質的なプロ選手を抱えているので、首脳陣は現在そういうことをものすごく考えています。
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