SCIXコーチインタビュー【第四弾】RYO OISHI
僕がコーチとして成長することが 子どもたちのレベルアップにもつながる。

──大石コーチは6歳からラグビーをはじめ、小、中学生とふくじゅ草ラグビースクール、その後、流経大柏高、流通経済大と進学されますが、影響を受けた指導者はいるのでしょうか?またどんな指導者を目指そうと思われますか?

oishi大石:僕がラグビーをはじめたラグビースクールはかなり自由なチームだったんです。週末の午前中に練習があるんですが、いつ参加してもいいですし、練習も強制されない。メニューを与えられて、自分で考えて、練習するという感じでした。そこで小学、中学時代を過ごしてラグビーの楽しさを知り、高校で基礎を教えてもらいました。高校時代は、先にも話したように練習は非常に厳しかったです。しかしそれが今の自分の土台となっています。大学時代は個人の自主性に委ねられていました。僕自身のキャリアを振り返った時に、指導者というのは、あまり教え過ぎてもいけないのかなと思います。1から10まで教えるのではなく、的確なヒントを1つ2つ与えて、あとは自分で考えさせる。もちろん、その答えが出るまでは、どんなに時間がかかろうとも、見守ってあげたいと思いますね。まだまだ指導者として駆け出しですが、武藤コーチ、元木(由記雄)コーチ、今村コーチをはじめ、いろいろな方の指導方法を見て、僕も成長していきたいですね。

──現役時代はタックルが持ち味でしたが、ぜひ子どもたちにも自慢の技を伝授して欲しいですね。

大石:タックルはなかなか教えるのが難しいんですよ。「頭を下げてはいけない」「肩で入る」等、基本的なことは教えることはできるのですが、実戦向きのこととなると、どう伝えればいいのか。ハンドリングはやればやるほど上手くなるんですが、タックルは、違います。練習できたからといって、試合でできるのかと言えば……。タックルに関しても、効果的な指導方法を導き出していきたいです。

──これからコーチとして身につけたいことは?

oishi大石:たくさんありますが、その中で一番身につけたいことは、ラグビーを教えるにあたり、言葉の選択を含めて話し方やコミュニケーション力ですね。ラグビーのことはある程度分かっていますので、それをどうやって言葉にして、皆に理解してもらえるか。元木コーチも、今村コーチも、指導を見ていて感じるのは、子どもたちにすごく分かりやすく伝えているということ。本当に学校の先生みたいだなと思うことがあります。おふたりも、僕も、コベルコスティーラーズで一番長くプレーしていたので、本質的には同じようなことを考えているんですが、どんな言葉を選ぶのか、身体を使って教えるのか、そこが違う。コミュニケーション力を身につけて、子どもたちにラグビーの楽しさ等を伝えていきたいと思います。

──今まさにコーチとして第一歩を踏み出したという感じですね。

大石:そうですね。すべてがはじめてのことばかりなので、毎日が新鮮です。今日はどんな練習メニューにしようとか、そんなことをよく考えていますね。ハンドリングの練習でも、いろいろな方法があるので、飽きないような練習メニューが組めるようにしたいと思っています。今、思えば、現役時代の練習内容をメモしておけば良かった!と、ホント後悔ですね(笑)。僕が成長することが、子どもたちにもプラスになりますので、良いコーチになれるように精進していきます。

大石 嶺(おおいし・りょう)
1983年8月25日、千葉県出身。父に勧められて6歳からふくじゅ草ラグビースクールでラグビーを始め、流経大柏高に進学。高校時代はSOで2年からレギュラーとして活躍し、2年時に花園でベスト16進出。流通経済大では1年からCTBを務め、主力としてチームを4年連続大学選手権出場へと牽引する。06年4月神戸製鋼入社。フィジカルの強さを生かした力強いタックルと走りで、公式戦27試合に出場。2011―2012シーズンをもって現役を引退し、今年8月よりSCIX事務局の運営に携わりながら、新人コーチとして中高生や女子の指導に当たる。
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