■ 第2期 『SCIX近畿セブンズブロックアカデミー』
第1回 女子セブンズ練習会
日時:2012年5月27日(土)15:00〜17:00
場所:神戸製鋼灘浜グラウンド人工芝

第2期ブロックアカデミーの女子セブンズ練習会はこの日がスタート。第1期生を含む計38名の選手が参加しました。前回のレポートでもお知らせしたように、4月に実施した第2期セレクションには中学生から一般まで、過去最多の52名の参加がありました。合否の選考には兵庫県高体連ラグビー専門部の先生方にも加わっていただき、検討を重ねた結果、今年度のアカデミー生については「1回の選考でふるいにかけず、全員練習会に参加してもらいながら、可能性を見て行く」(今村コーチ)というかたちを採用。ラグビー経験が深く、スキルやフィットネスの強化を目的としたグループをAチーム、他競技からの転向者を含め、ラグビーの基本プレーを学びながらアスリートとしての向上を目指す育成グループをBチームとし、「BからAへの入れ替えをどんどん図りながら」(財田先生)練習会を実施していくことになりました。

この日は第1期生を含めたAチームが18名、Bチームが19名という構成。中高生の中には学校の行事で参加できない選手も何名か出ましたが「本気でオリンピック、日本代表に挑む集団」として「漫然と練習するのではなく、練習会を通して何か一つ持って帰れるように目標を持って取り組んで欲しい。Aチームだからといって驕ることなく、Bチームだからといって臆することなく、高い意識を持ってやっていこう!」という財田先生の言葉に耳を傾けるアカデミー生の表情は真剣そのもの。アカデミーの中に「強化」「育成」という区分けを作ったことで、選手も何を目指していけばいいか、目標がより具体的になったのではないかと思います。

【練習内容】
●「マルチステージ測定」(全員)
選手の持久力、有酸素能力を測る20 mシャトルランテスト。中高生はテスト明けで運動不足ということもあり「コンディション的には60を超えればいいぐらい」と予想して財田先生もほとんどの選手がそれを上回る記録を出してややびっくり。中学生ではセレクション時の「87」を上回る「89」をマークした中学2年生の篠畑さん。高校生では同じくセレクション時の「97」を上回る「101」をマークした高校2年生の樋口さんなどが、アスリート性の高さを見せてくれました。
それでも財田先生からは「日本一を目指すなら、90から100を目標にして欲しい」との注文がありました。この「マルチステージ測定」は練習前に毎回行います。

【Aチーム練習内容】
[1] 3人一組でパス練習(ワイドパスとショートパスの組み合せ)。
SHの今村コーチから出たボールをSOの位置に入った選手がワイドパスでCTB。CTBはショートパスを使って素早くWTBにパスを放る。
◆今村コーチのアドバイス
「SOがワイドパス放るときには、相手のちょっと前に放ってやれば、受け手はスピードに乗ったままキャッチでし、その流れでクイックパスが放ることができる」
「左ラインの場合は、右手主体でパスを放るので、距離のあるワイドパスが放れるが、右ラインになって左手主体になると、パスにならない選手が多い。両方同じように放れないと、ゲームでは使ってもらえないぐらいの意識を持って、練習に取り組んで欲しい」

[2]タッチフット(7分ハーフ)
ゲームの機会が少ない女子選手に、ゲーム感覚を養ってもらうための練習。

【Bチーム練習内容】
[1] グリッドを使ったハンドリング練習
ラグビー経験の浅い選手、陸上など他競技から転向してきた選手で構成するBチームは、グリッドを使ってパスやキャッチングなどラグビーの基本プレーを徹底指導された。
◆財田先生のアドバイス
ロースタイルの徹底「ラグビーではボールを放るときも、キャッチングするときも、体は
常に腰を落としたロースタイルを保つこと」
ハンズアップ「ボールをキャッチする際には胸の前で手で三角形を作るイメージでハンズ
アップする」
またの下からパスをする練習「ラグビーボールのパスはボールを放る際、最後に小指で弾くようにするのがコツ。その感覚を養う練習として、またの下から相手にパスする練習をすると感じをつかみやすい」
[2] タックル練習
・ボールキャリアがタックルされたら、チェストパスなどを使ってフォロワーにボールをつなぐ。
・タックラーは相手を倒したらすぐに起き上がり、相手を乗り越えてボールを確保すること。
[3] スクリューパスの練習
ラグビーパスのほか、ワイドパスを放る際に必要とならスクリューパスの投げ方を指導。


●シャトルラン・トレーニング(全員)
練習の最後は全員でシャトルラン走。インゴールラインから22mラインをダッシュで6往復のシャトルラン。インゴールラインと22mラインのターンではうつ伏せになってスタート。スタートから2分後に2本目スタート。合計5本行いました。2時間の練習のあとだけにこれは苦しい。さすがのアカデミー生たちも終了後は、ほとんどの選手がグラウンドにへたり込んでしまった。それでも息が整うと、満足そうな表情と一緒に笑顔が浮かぶ。この雰囲気が第2期セブンズアカデミーのカラーとなっていきそうです。

【練習の総評と次回に向けて】
「今日の練習内容が第2期アカデミーの基本だと考えて下さい。マルチも毎回測定しますので、今月よりも来月のほうが数値が向上するように、日々のトレーニングにも取り組んで下さい」(今村コーチ)
「今日の自分よりも明日の自分、そう向上できるように、一か月後にはまた成長した姿で集まりましょう」(財田先生)



 
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