いよいよSCIXのホームページでもBlogをスタートすることになりました。タイトルは「SCIXコーチングBlog」。SCIXが活動の柱の一つとする「コーチング」をテーマに据えてみましたが、選手の育成指導やチーム論だけでなく、ビジネスにおけるコーチングやスポーツを通じてのコミュニティ活動など、幅広く皆さんの意見交換の場になればと考えています。また、「先日のあのゲームはこんなふうに感じたのだけれど」といった個人的な感想、見解を寄稿家の皆さんに投げかけていただいても結構です。スポーツやコーチングを入り口に、コミュニケーションの輪が広がればと思っています。

さて私自身は『SCIXスポーツ・インテリジェンス講座』の運営に携わる立場から、講座運営を通して「コーチングとは何か…」について、自分自身の“気づき”となった事柄などを中心に、書かせてもらおうと思っています。第1回目の今回は、昨年10月22日から12月16日にかけて開催した『第4回SCIXスポーツ・インテリジェンス講座』の中から、私自身が最も感動した言葉の一つを紹介させていただこうと思います。

義、我を美しく−。

これは第4回(12月2日)にご出演いただいた岡田武史さんが『リーダーの決断』をテーマに語られた中の言葉です。岡田さんといえば、98年のワールドカップフランス大会で日本代表を率いて初の本大会出場を果たし、その後、Jリーグではコンサドーレ札幌を2年でJ1に昇格させ、昨年半ばまで指揮を執った横浜F・マリノスでは、就任時の03年から04年にかけてJリーグ初のステージ3連覇と2年連続で年間王者に輝いた、日本のサッカー界を代表する名監督のひとりです。
 
その岡田さんが、優勝というチームの目標を達成するため、ときには大きな貢献をしてくれた選手やスタッフを解雇しなければならない「非情な決断」に迫られたとき、まず自分自身に「オレは今、鬼の所業と言われるほどの決断をしようとしているが、その中にわずかでも自分を擁護する“私心”は入っていないだろうか。本当に優勝という大義のために決断を下そうとしているだろうか」と問いかけ、戒めとするために心に置いている言葉ですと紹介してくれたのが、この一言です。

「義」とは個人の利益や損得を超えた「大義」や「志」のことです。
その「義」は「我を美しく」と書きます。
つまり、人が私心なく組織や社会のために美しく生きようとする姿勢こそが志であり、リーダーが何かを決断しようとする際に、忘れてはならない指針であると、岡田さんは語ってくれました。

リーダーとは常に「判断」と「決断」の連続である──。
これは、スポーツの世界に関わらずビジネスの現場でも常に言われている言葉です。どんな選手や人材を使い、どんな戦い方やビジネスをするのか。 その判断の多くが現場のリーダーに委ねられ、そこで下した決断が任されたチームや組織の将来をも握ることも少なくありません。その責任の重さとは、いかなるものか──。

それを考えるとき、私はいつも岡田さんのこの一言を思い出します。